自然情報学講座では、情報科学を核とした地球環境学と数理生物学に関する教育研究活動を行っています。両分野とも地球物理学や生物学と密接に関連していますが、情報科学の応用分野として近年進展が目覚ましい学際的な研究領域であります。地球温暖化や生物多様性の喪失など、社会的にも注目されている領域でもあります。
地球環境情報学グループ 研究内容
地球環境学に関する分野としては、大気の研究グループと陸域の研究グループに分かれて活動しています。ともに、人工衛星による観測(リモートセンシング)データを駆使して解析しています。
大気サブグループにおいては、東アジア域における近年の急激な経済成長に伴う深刻な広域大気汚染の実態解明を目指して研究を進めています。大規模な産業活動に伴って汚染気体・微粒子(エアロゾル)が大気中に放出され、風によって輸送されることで、国や大陸を越えて重大な問題となります。
陸域サブグループでは、地球温暖化とも関連する植生分布と二酸化炭素吸収の関係を研究しています。我々は、宇宙からの観測データを中心に用いてグロールな視点に立って環境問題を見つめることで、自然現象及び人間が自然環境に与える影響の双方の理解を目指して研究活動を進めています。
数理生物学グループ 研究内容
数理生物学に関する分野では、多様な生物が織りなす様々な現象を数理的手法を用いて解析しています。食う食われるといった捕食関係や同じ資源を巡る競争関係など、生態系における様々な種間関係の個体群動態・群集動態、外来種の侵入と拡大などの生物の移動分散メカニズム、伝染病の流行といった感染症動態、生物の適応的形質や行動の進化動態、繁殖・死亡という生物に特徴的な活動のアルゴリズム的記述など、多彩なテーマに関する数理的な研究を行っております。そして、「数理」の観点からミクロスケールからマクロスケールに至る様々な生命現象をより良く理解することを目指して研究を進めています。
教育方針
自然情報学講座では、それぞれの分野における最先端の研究活動を教育内容に反映させ、学生をこうした研究活動に直に触れさせることで、グローバルな問題に多角的な視点から取り組むことが出来る人材、数理的思考に基づき様々な問題解決に当たることが出来る人材の養成を目指しています。
まとめ
自然情報学講座のスタッフは、国内外の様々な分野の研究者と共同して最先端の研究を進めており、研究室は多様な研究・教育機関との頻繁な交流を通じた知的刺激に満ちあふれています。自然情報学講座は最先端の研究活動の成果を積極的に教育内容にも反映させることで、多角的な視野を持ち、自然環境一般に関する専門的な知識と、社会において実践的な問題解決能力を兼ね備えた人材を世に送り出すべく教育研究活動を行っております。
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