情報科学科

学科概要

 情報科学科は、情報を核とした学際的な教育研究活動に対する社会の要請と、急速に進む情報化時代の趨勢に対応すべく、1991年に理学部5番目の学科として設置された学科です。奈良女子大学理学部の中では一番歴史の浅い学科ですが、数学、物理、化学、生物といった従来からの理学の枠組みを越えた「学際的 interdisciplinary」な教育・研究を展開することを使命としています。

 「学際」とは、従来の学問の枠組みを超えた複数分野にまたがった諸学の連携を意味します。学術研究が進展するにつれて、従来の枠組みだけでは解決できない様々な問題があることが、多くの研究者によって認識されるようになりました。例えば、今ではさまざまな分野で不可欠になった数式処理などの記号処理技術は、伝統ある数学の研究に計算機の出現が結びついて初めて可能になりました。また、物理学・化学・生物学が密接に関係する、地球温暖化といった環境問題は、近年社会的な注目が高まっている学際的研究分野の一つです。

 情報科学科は、数理情報学講座と自然情報学講座の二つの大講座から構成されます。数理情報学講座は、計算機科学と計算機数学といった数学と情報の融合による新しい数理情報科学に関する教育研究活動を、自然情報学講座は、地球環境や生態系を対象とした衛星観測データや数理モデル解析を通じた情報と環境科学の融合を目指した教育研究活動を行っています。各大講座は学際かつ国際的で多彩な研究を展開している教員を擁しており、例えば、計算機を応用した幾何学理論、衛星観測を活用した地球環境科学、数理的手法を用いた生物現象の解明といった国際的にも評価の高い研究活動を行っています。情報科学科は、従来の理学の枠組みを情報科学の視点から学際的に再構築し、「情報科学」を軸とした新しい理学の展開を目指した教育研究活動を行っています。より詳細な研究活動については、こちらをごらんください。

 上の例に代表される研究を展開すると同時に、高度情報化社会が求める学際的な専門知識を身に付けた人材を教育・養成することも情報科学科の重要な使命です。新しい理学の視点に立脚する学際的な教育は、社会の様々な場面で求められる、論理的思考ならびに問題解決といった諸能力の修得に非常に効果的であると我々は考えます。

 情報科学科では上の教育理念を実現するため、学際教育を効果的に展開するカリキュラムを構成しています。1年次に重点的に修得する、情報科学に関する基礎数学やプログラミング言語の基礎といった基礎科目群に始まり、2年次以降に履修する数理情報・自然情報に関するより専門的な科目群、そして、3年次後期から各研究室に所属して取り組む1年半の卒業研究といった連続的な段階を経て、従来の理学系教育の枠を超えた人材養成を行っています。

 二つの大講座はそれぞれ最先端の研究活動を教育内容に反映しつつ、互いに連携しながら他大学には例の無いユニークなカリキュラムを構成しています。これらの特徴的な教育活動を通じて、奈良女子大学情報科学科ならではの人材を社会へ送り出しています。詳しい教育カリキュラムについては、こちらをごらんください。

 情報科学科は単なるプログラマ=情報処理技術者の養成を目指しているのではありません。我々の教育理念は、自然科学に関する幅広い素養を身に付けると共に、情報技術の深い理解と高い応用能力・問題解決能力を備えた高度な研究者・技術者を育て上げ社会へ送り出すことにあります。情報科学科の卒業生の多くは専門的技術者として各種企業や研究所で活躍しているほか、教員・公務員として社会の様々な舞台で活躍しています。

 情報科学を核とした新しい理学を修得して社会で活かしたいと思う方々へ。我々はあなた方の期待に応えます。


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